放射線治療は癌の治療法の中でもダントツな効果を発揮してくれる

看護師

放射線の力で治す方法

ハート

切らずに済むメリット

癌の治療と言えば外科手術に加えて抗癌剤治療と放射線治療が3本柱と呼ばれています。手術は最も古くから行われていた方法ですが、放射線治療の歴史も意外に古く、100年以上前に実用化が始まりました。X線発見当時に始まる放射線治療も、長い歴史の間に長足の進歩を遂げています。現在ではコンピュータ制御による最新テクノロジーが採用されており、先端医療の象徴とも言えるほどハイテク技術が駆使されています。放射線治療のメリットは、外科手術と比べて身体への直接的負担が少ないという点です。放射線と言えば怖そうな言葉の響きを持っていますが、安全性には最大限の配慮がなされます。放射線照射の際には専門の放射線治療医を中心として、医学物理士や診療放射線技師といったプロ集団が細心の注意を払って実施します。手術と違って身体を切らずに、放射線の力で体の奥に潜む癌細胞でも攻撃できるのです。外科手術は癌を完治させるために最も効果の高い方法ですが、身体にメスを入れることの負担は決して小さくありません。放射線治療に使われるX線やガンマ線・電子線といった粒子は皮膚の表面を通過しますので、手術のできない症例では特に有効な治療法なのです。

正常細胞への影響は

放射線を使う際には抗癌剤と同様に副作用が問題となります。放射線は癌細胞にダメージを与えると同時に、周辺の正常細胞も攻撃してしまうのです。この問題を解決するための新技術も開発が進んでいます。日本でも先端医療に取り組んでいる医療機関では、陽子線や重粒子線を使った粒子線治療を実施しています。電子よりも質量の重い粒子を照射するため、身体の奥深くでも高いエネルギーを維持できるのがこの方法の特徴です。コンピュータ制御を使った精細なビーム調整によって癌細胞の位置を正確に測定するため、正常細胞への影響を最小限にとどめた状態での照射を実現できます。全国の医療機関で設備導入が進んでいる強度変調放射線治療は、3つの方向から癌細胞に向けて弱い放射線を照射します。それぞれの放射線量は小さいため、正常細胞へのダメージは少なくて済みます。3方向からの放射線が集中する癌細胞には大きなダメージを与えることができるのです。以上のような最先端治療が受けられる病院は現時点で限られていますが、今後は多くの医療機関で普及が進むと予測されます。進歩の著しい放射線治療は、これからの癌治療を大きく変える可能性を秘めているのです。